眼瞼下垂

眼瞼下垂

眼瞼下垂とは

眼瞼下垂

加齢に伴って、上眼瞼挙筋(まぶたを挙げる筋肉)と瞼板(まぶたの裏側にある硬い板状の組織)との結合部分が徐々に緩んでくる為にまぶたを開ける力が弱り、目が開けにくくなります。これを老人性眼瞼下垂あるいは腱膜性眼瞼下垂と言います。
発症原因は、ハードコンタクトレンズの長期使用や、患者さんの8割以上は加齢による皮膚や筋肉の変性、花粉症などで目をこすることに慢性刺激によるものと考えられます。残りの2割弱は先天的な筋力不足、後天的な神経疾患によるものです。

眼瞼下垂による症状

  1. 目が開きづらくなる
    「最近疲れてる?」と聞かれることが多くなった方は、眼瞼下垂かもしれません。
    他に、「眠そうに見える」「まぶたが下がってきた」「まぶたが重い」などがあります。
  2. 肩・頚こり、頭痛
    まぶたが下がってくると、顎を上げて視界を得ようという動きが起こります。眠そうな目と言われ、実際に夜になると目に力がなくなるため、すぐにねむくなります。首を後ろに反らせ、顎を上げて生活するので、うなじや肩がよくこります。これが頭痛の原因となっていることがあります。
  3. 額のシワ
    目が開きにくくなるため、おでこの筋肉を使って目を大きく見開きます。そうすることによって、額にシワがよりやすくなります。
  4. 夜になると目がしょぼしょぼする。すぐねむくなる。

眼瞼下垂の重症度分類(最大限に目を開けた場合)

眼瞼下垂の重症度分類(最大限に目を開けた場合)

治療費について

眼瞼下垂手術は保険適応の疾患です。
健康保険が使える病院・クリニックで治療をお勧めします。

保険適応(3割負担の方)45000円程度
後期高齢者の方(1-3割負担) 15000円〜45000円程度

手術法について

挙筋前転法

上まぶたの皮膚を切開して、瞼板から離れた挙筋 (=まぶたを開く為の筋肉)を瞼板(=まぶたの中心部分)の近くに縫いつけることで、挙筋の働きが良くなり、目を開き易くする方法であり、自然に仕上がります。
二重などの眼瞼の形成も同時に行います。

両側眼瞼下垂

右目眼瞼下垂

治療に関して

施術時間 約1時間
抜糸・施術後の通院 1回(抜糸のため)
麻酔 局所麻酔を注入します
施術のリスク・副作用 腫れ・内出血・左右差・出血・感染
ダウンタイム 1~2週間後には洗髪、洗顔、化粧や軽い飲酒、軽い運動などが可能
術後の腫れ 完全に腫れが引く状態は約4週間後
カウンセリング当日の治療
入院の必要性 なし
シャワー 首から下は当日より可、顔は濡らすだけなら翌日より可
洗顔 翌日より可
メイク 抜糸後より可能

術後について

万全のアフターケア

万全のアフターケア

内服薬と塗り薬、痛み止め、腫れ対策の漢方薬、点眼薬をお渡しします。(保険適応)

眼瞼下垂の手術の問題点・合併症

感染・化膿
瞼は非常に血流が豊富であるため、感染が生じにくい場所です。
手術は清潔操作をきちんと守って行います。しかし、患者様の基礎疾患、免疫の状態、手術後の生活習慣などにより、予後は変化します。

血腫
瞼は出血しやすい部位です。
手術中に確認できる出血は確実に止血することは当然ですが、手術が終了した後に出血が生じることもあるのです。ほとんどは冷やして様子を見ていくと自然に吸収されるので、大きな問題になることは稀です。感染と同じで、患者様の血の止まり具合により、血腫が奥に溜まることもまれにあります。その場合は、血腫を取り除く手術を行います。

腫れ、浮腫み(むくみ)
瞼は非常に腫れや浮腫みの出やすい部位です。
手術で触る範囲だけでなく、手術中に使用する麻酔の量、手術中の出血の様子などで腫れの程度は変化します。かといって、麻酔をせずに手術をすることは不可能ですので、腫れをすみやかに引かすためには、
帰宅後はできるだけ安静を心がけていただき、2〜3日は冷やした方が腫れは少なく済みます。腫れを早く引かすために、漢方薬やお薬の処方もいたします。

傷跡
切開しますので傷跡は残りますが、瞼は皮膚が薄く、傷跡は目立ちにくく治りやすい部位です。
また、傷跡は二重まぶたの中に隠れるので目立ちにくいのも事実です。
当科では、瞼を閉じた時の傷跡が凹んだりしないように注意して手術を行なっています。二重の形成も同時に行うことができます。

瞼の開きの左右差、瞼の形の不満
術後に瞼の開きに左右差が残る患者さんもおられます。
もちろん手術中には何度も瞼の開きを確認し、必要なら座ってもらって確認し、開きに左右差がないことや、瞼の形がきれいであることを確認します。
それでも術後に左右差が出ることがあり、再手術を必要とすることもあります。

ドライアイ
瞼が大きく開くようになると、眼球の表面から蒸発する水分が増加します。つまり眼球が乾きやすくなり、ドライアイになりやすくなります。

治療の流れ

1、 カウンセリング・ご説明

眼瞼下垂の有無と程度を確認し、患者様の希望に沿って治療法を説明します。

2、 治療

手術は1時間~最大約2時間で終わります。

3、 術後・アフターケア

術後・アフターケア

手術が終わるとしばらく冷やしてから薬を塗って帰宅していただきます。内服薬と塗り薬、痛み止め、漢方薬、点眼薬などをお渡しします。
サングラス等を着用し電車などで帰る方が多いのでご用意ください。
1~2日後にはシャワーをしても大丈夫です。
抜糸は約7日後になります。

眼瞼下垂の事ならお気軽にご相談ください。
【予約制】 075-712-8615

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