くみこ院長ブログ情報
にきびの新薬発売されました!
2015年05月5日
春になると、ニキビができやすくなるという方はおられませんか?
実は、春はニキビが一番悪化、発生しやすくなります。それは、春には花粉や紫外線やホコリなどによる刺激がふえて、バリア機能が低下し肌荒れが起こりやすくなるからです。
もう一つは、環境の変化により、ストレスで男性ホルモンが多く分泌される事で、ホルモンバランスのくずれも原因の一つです。
■ニキビとは?
ニキビは、
l 皮脂が毛穴につまる
l にきび菌が繁殖して炎症を起こす
ことが原因です。
つまり、にきびの治療としては、
1. 皮脂を少なくし、毛穴の出口をふさぐ角質を取り除く作用のあるお薬・・・ディフェリンゲル
2. ニキビ菌を退治して炎症を抑えるお薬・・・アクアチームクリーム、ダラシンゲルなど
以上の二種類を塗らなければなりません。
■過酸化ベンゾイル「BPO」入りのニキビの特効薬が今年の4月から使用できることに
今まで、保険診療で使用できる「ニキビ治療薬」はニキビ菌を抑える抗生剤軟膏(アクアチームクリーム、ダラシンゲルなど)が主流でした。
2008年にやっと「ディフェリンゲル」がニキビの保険診療で処方できるようになりましたが、それでもニキビ治療の世界標準としては遅れています。
過酸化ベンゾイル(略してBPO)と呼ばれるニキビ治療には欠かせない成分の入った新薬「ベピオゲル」が、今年の4月保険適用となり、世界標準のにきび治療が可能になりました。
この成分は、角質細胞の結合を緩めて毛穴の入り口のつまりを取り除き、抗菌剤とは異なる殺菌作用をもっています。
ニキビ菌は、酸素が有ると死んでしまう”嫌気性菌”であるので、酸化剤が効きます。
今回発売の新薬、ベピオゲルは、酸化作用によってアクネ菌を死滅させ、ニキビを治療します。
抗菌剤を使っていると、耐性菌が増えてだんだん効かなくなってきますが、ベピオゲルは、耐性菌を増やさないので米国のガイドラインではこちらが推奨されています。
みなさんにもおなじみの名前ですが、プロアクティブという市販薬にもアメリカでは使われている様です。
非炎症生の、黒ニキビや白ニキビに対しても推奨されているので、抗菌剤の効きがいまいちだなと感じている方には朗報ですね。
しかし、このお薬にも使いにくい点が有ります。洗濯のときに使う酵素漂白剤は酸化作用がありますが、ベピオゲルも漂白作用があるので、髪や服に付着すると脱色する恐れがあるので患部以外につけないように注意する必要があります。
また、使い始めた最初の方は、刺激感や発赤を生じる事があります。これらの症状は少しずつ慣れていきますが、皮膚の症状によっては使いにくいこともあります。
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