くみこ院長ブログ情報

くみこ院長ブログ情報

アメリカアレルギー学会 2014

2014年03月15日




4年前からワシントンDC,ニューオーリンズ、サンフランシスコ、サンアントニオで開かれた学会に続き、今年は西海岸のサンディエゴで開かれました。

 毎年話題になるのが、OIT,経口免疫療法です。つまり、食物アレルギーの治療法は確立したものがないので、食べながら免疫をつけて直すという方法が数年前から脚光を浴びてみます。

 食べて治るのなら、そんな簡単な事!と思われるかもしれませんが、食物アレルギーにもかなりの個人差があって、食べると口の周りに蕁麻疹が出る程度のひともいれば、すこしでも原因の食物の成分が入ると、呼吸が苦しくなってショックになってしまう人もいます。

じんましん位の方だったら、少しずつ食べれる量を食べていれば、治ってしまう事が多くあります。しかし、食べてショックになる人は、ちょっとでも食べるのが一苦労。それで、普段は除去をして安全第一ですが、血液検査の結果や年齢を考えて、少しだけチャレンジを病院でしてみるのです。決して家でしてはいけません。ほんの少しの成分でも生命を危ぶむ結果になってしまう「こともあります。一昨年の東京の調布市で小学生が給食中になくなった事件も記憶に浅いと思います。

 4年位前は、急速経口免疫療法がHotな Topicでしたが、あまりにもショックを起こす率が高く、リスクが高いので、最近は安全な方法を模索しているという印章です。

例えば、牛乳が飲めない人だったら、暖めた牛乳だったら副反応が少なく抑えられる、食べ物そのものではなくて、その1成分で免疫療法が出来ないか、などです。

食物アレルギーの大家であるDr Sampsonに以前お会いしたときも、急速法は危険が大きすぎるので、安全な方法を考えなければ、と言っておられました。

今回の学会参加の目的である、Dr Xiu Min Liの開発しているFAHF-2という漢方ベースの食物アレルギーの治療薬についてもリサーチして来ました。

今、Phase 2スタディをしている最中なので、大きな結果は出されていませんでしたが、Clinicalな部分でも研究は進んでいるようです。

実用化されれば、是非日本の食物アレルギーのお子さん達にも使用してみたいと願っています。

Mt Sinaiの実験室の発表でも、ベルベリンという物質は単独ではIgEを抑えないけど、他の生薬と混合して作用させると効果が倍増するとの研究がされていました。漢方は、作用が穏やかなので、漢方治療のみを求めてこられる患者さんも折られますが、作用が分からない反面、ミラクルを期待してしまいがちです。このような基礎実験をMt Sinaiのような一流病院で実験がされるというのは、漢方を遣う者としてとっても心強いことだと感じています。

最後に、この漢方のFAHF-2という薬は、なんと私のクリニックでも調合できてしまうところが凄いと事です。

 

 

TOP