くみこ院長ブログ情報
米国アレルギー学会より〜かさかさの秘密
2009年04月11日
アトピー性皮膚炎についての研究は、今世界中で遺伝子レベルでされています。アトピーの子には”かさかさ肌”、つまり乾燥肌の子が多いのはみなさんもご存 じだと思います。
アトピーの乾燥肌の人の遺伝子を調べていると、やっぱり、filaggrinという物質を作る遺伝子のない人が、IgE抗体を作りやすく、 肌の角質が薄いという事が解ってきました。
それで、どうすればいいのかというと、やはり”保湿” が大切です。今のところその遺伝子を治療する根本的な遺伝子治療はまだ無理なので、とにかく遺伝子異常を補うには保湿剤に頼るしかないのです。
肌がかさか さしていると、空気中に舞っているアレルゲン(ダニ、ハウスダスト、卵、牛乳、ピーナツなどの食べ物)が肌に付きやすくなります。その結果として経皮感 作、つまり皮膚からアレルギー状態を作り出してしまうのです。
なんでも、食物アレルギーは食べることだけからではなく、アレルギー物質が皮膚についたこと から始まると考え方に最近は変わってきています。反対に口から食べたものは、耐性が付きやすい、つまり慣れていくのです。前は食べられなかったけど、だん だん食べられるようになるというのは皆さんも実感していると思います。
私のクリニックでは、肌が荒れているときは痒みを押さえるために、一時的にその人のアレルギーの原因となる物質を除去してもらいますが、適切なスキンケア で一旦、肌が綺麗になったら、アレルゲンとなっている物質をほんの少量から食べていってもらう、経口減感作の様な方法を実践して、除去期間をなるべく短 く、お母さんのストレスにならないようにしています。
なにも、アレルギー反応が出たからと言って、
“一生家の子は卵食べられないのか。。。”と悲観することはないのです。実は、私もアレルギーを勉強するまではそう思っていました。しかし、中には少数で すが、ずっと食べられない、つまり食べるとすぐに反応を起こしてしまう子がいます。そういう人たちにどのようにして耐性を誘導していくかというのが、これ からの課題です。