くみこ院長ブログ情報
湿疹は洗う?それとも洗わない?〜アメリカアレルギー学会より
2016年03月29日
“お風呂につかるとヒリヒリする。”
“主治医の先生から、せっけんを使わないようにといわれました。”
という訴えを外来で初診の患者さんから、聞く事があります。
皮膚を診ると、浸出液が出て(じゅくじゅく)、ばい菌が繁殖し、二次感染を起こしています。
アメリカのアレルギー学会(American academiy of Asthma and Immunology)に参加してきました。特に、興味があった演題は、
“難治性アトピー性皮膚炎の治療法”でした。
アトピーがなかなか治らない原因としては、
- ステロイド剤のランクが合っていない。(弱いステロイドで効いていない。)
- 二次感染を起こしている。(洗っていない)
- 皮膚のバリアが阻害されている。
などが挙げられます。
今年のアトピー性皮膚炎のトピックは、皮膚のバリア機能、保湿力に関しての研究でした。アメリカのRochestor 大学というところで、吉田先生という日本人が研究されています。その研究によると、黄色ぶどう状球菌という、ばい菌が出すTSLPという炎症物質が皮膚のバリアを破壊し、Th2反応という悪いアレルギー反応を促進してしまうということがわかってきているそうです。
つまり、先に述べた通り、湿疹があるのに洗わないと、ばい菌が繁殖し、湿疹を悪くします。また、悲しい事に、アトピー性皮膚炎の両親をもつ子供は、アレルギーを起こしやすい免疫状態(Th2反応)になりやすいそうです。
そこで、面白い研究なのですが、なんと、”Bleach bath=ハイター風呂”で、バリア機能も復活するという研究もされているようで、ビックリしました。この療法なら自宅でもしやすいですよね。今後の大規模研究の結果が待たれるところです。
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